Tea room
Shamrock Cottage
高原の森の奥。
静かな時間の流れを愉しむ
あなたのための、
小さな小さな、隠れ家です。
朝の時間 06:30-11:00
午後の時間 13:00-18:00
(※11時~13時はお休みです。)
定休日: 毎週木曜日と金曜日
(※最新情報はSNSを参照のこと)
黒島のお話2
岩肌の白い部分は今まで海の中だった
僕に煙草を恵んでくれたのは、
炊き出し活動を行ったボランティア拠点の建物から、空き地を隔てたお隣さんだった。
一緒に海を眺めながら、一服をする。
この黒島集落は、地震による地盤の隆起によって、海が最大240m遠ざかり、陸地面積が30%増えた。
知識としては知っていた。
3月下旬に訪れた時、地元の人は「海岸線が遠のいたから、この冬は潮の飛沫が家にかからなくてラクだったわ」と笑っていた。
一服仲間のマスガタさんが言う。
「地球は生きてるから、一年に1mm、海底は隆起する」
「今回の地震では、10分、いや10分すらもしない間に、4000年分のことが、起こったんだよ」
今回の地震で、最大4mの隆起が発生した海岸線を眺めながら、言う。
「波の音は、うちらにとって、子守歌だ。同じ集落でも、少し山の方の皆は、耳について眠れないって言うけどね」
「窓を開けると、
ざざぁ~~~ん
ざざぁ~~~~~ん
聴こえるわけ」
「ずっとそれ聴いて育ってるから、子守歌、よね」
「でも、地震の後は、少しその音が、こわかったかな、、、、
・・す~ぐに元に戻って、子守歌よ。笑」
「波の音は、ずいぶん遠くなったけどね」
にこにこ笑いながら、穏やかな、穏やかな語り口。
僕は、黒島の実際の波の音よりも、
マスガタさんの口から聴いた、
ざざぁ~~~~ん
の波の音の方が、ずっと優しく耳に残って、僕を癒してくれている。