現在、シャムロックコテージは今期の営業を終え、
長い長い冬の眠りの中です。
心穏やかではない1年でした。
私たちの"ほんとうのこと”に正直でいる為に、
4月から急にお店をぱったり休んでしまったり、
熱りが冷めた頃、梅雨の真っ只中からテイクアウトをやり始めたり、
違う場所でお客様と共に夏を過ごすようなことをしてみたり、
危機感がまた募る中で、敢えていつもの場所に戻っていつものスタイルを再開してみたり、
世の流れに取り残される歩みの遅さで、
世の目指す所とはなんだか見当違いの所を見据えて、
世の多くにはそっぽを向かれても、分かり合える数少ない誰かと、
そんな、自分達が丸裸になったような1年でした。
お付き合いくださった大切な皆様、本当に本当にありがとうございました。
孤独な冬眠の間、お客様のいないシャムロックコテージはその内側に
“森の静けさ” と “止まったかのような時間” をたっぷりと溜め込むのです。
さびしいし、ひもじいけれど、
必要な時間だと、私たちは信じています。
※※※
私には、理想の、憧れのカフェがこの胸の中に描かれていて、
そのカフェは、天の采配によって、辿り着きたくとも叶わない長い空白の期間があって、
でもその会えない間にも、かつてそこを訪れたお客様の肺の底には、
温かな思い出と共に、微かでも確かな存在感が、ずっとずっと小さく明滅し続けていて、、
・・それはまるで薪ストーヴの灰の中、
眠りの前に丁寧にうずめられた熾火のように、
夜の間、冬の間、孤独の間、苦難の間、
誰かの心をほんの少しだけ暖め続け、
そして新しい朝が来た時、冷えた手をさすりながら、
灰の中より小さなオレンジの星を丁寧に掘り起こし、
細く長く息を吹きかけると、それは瞬く間に輝きを強め、
再び暖かな火を灯すことができるように、、
いつか、そんなお店になれたらと、
私は強く願うのです。
※※※
それでは、雪が溶け、土が緩み、木々が水を吸い上げ始める、
また春に、会いましょう。
たくさんの感謝を込めて、
【おやすみなさい】
〜足元の幸せを愛でながら〜
シャムロックコテージ 福田